B計画。彼と彼女。
完全な続編だと感じた。
だけどそれだけじゃなくて。
ひとつひとつの話がそれぞれに示唆しているものがあって。
その時の想いとか行動とかは本筋を越えて伝わってくるものがある。
しのぶとゆり、たろうとぼたんが交差して交わされる言葉、そして駐在や森脇の想いに胸がしめつけられる。
あらすじを書くとB彼に触れずにはいられないしとても長くなるので省略。
だからここからは私の偏見で。
村に一人の男がやってきてはじまる物語。
確かに彼らはいて。
彼。しのぶ。そして宇野。彼は精子が少なくて子供が出来ない。
自分の計画の唯一の欠点。
しかしこれだけでなかったのでないか。
太郎。救われない人生。何もない人生。ぼたんへの後悔。彼も計画をつくる、、、少年。
駐在。"忘れたい"過去。太郎を自分に重ねる男。むしろ駐在は「太郎自身」なんじゃないか。
ぼたん。火事まで無視されたきれーな人。三歳。ユリを思い遣る。火事から"現れた"こども。
そして、『宇宙人』。画家。
ぼたんは太郎を先生と言う。狂っていたからだけか?真実が見えているのはどっちだ。太郎は絵が上手い。
虚構の箱を作ったのは誰だ?
森脇のぼたん、太郎、そして、“大人”の駐在への発言。
『“こども”に嫌われるな、俺は』
駐在は太郎で太郎はぼたんで駐在もぼたん。森脇を嫌う“存在”。
太郎が作る宗教サイト。駐在はそれを止めたかった。彼が自分になるから。自分を消したいからか。
世界につながる箱の世界は『彼』が作っていた自作自演の世界ではなかったか。そしてこれこそ現実の世界で。
本題。
彼は計画を立てないと生きていけなかった。彼の過去は太郎の過去で駐在の過去でぼたんの過去で、それは【B彼】の教徒の過去で、自分の中だけのものに出来ない程に。
でも彼女に会えた。魔法の言葉があった。
なのに。
彼女との子供は出来なかった。計画をする彼を彼女は受け入れなかった。
だからついに宇宙人が生まれた。(B彼の時セミナーで見えない宇宙人の席に何気無く座ったのは宇野)二重の世界がここで始まった。
村人は彼の中の住人。
後悔や辛さや滑稽なまでの茶番は彼自身の想い。
その中にいる、しのぶ。それこそが、ホントウの彼。
・【B彼】で彼はセンターに火を付けていた。
・【B彼】のラスト。あれはいつだったの、か。予兆ではなかったか。
彼は彼自身の闇を見つけたけれど、結局彼は彼のままで。
彼女は彼の中に入りたくて堪らなくて、また、出て行きたくて仕方なかった。
そこで生まれたぼたん。ぼたんは彼の「意識」と後悔と彼女への愛。忘れたくて忘れられなくて狂うことにした彼であって彼女であるもの。
彼女。ユリ。
彼が自作自演した彼の世界に彼女だけは、居た。彼女はずっと彼の前に居た。
『いっそのことあたしをあなたの中に入れてください。』でもあたしはあなたの一部じゃなかったから寂しかった。
だから、『インターネットの寂しい宇宙人に会いに行った』んです。
自分の中の後悔。自分の内の汚れたいやしい思い。でも彼が好きで、いっそのこと「彼の中に入ってしまいたかった」
"彼の狂気の世界に自分も入ったんです。"
【B彼】ではとうとう会えなかったのでないか?
火事で自分もまた、"見ない"ようにした。だけど再びホントウの彼は"現れて"くれた。「記憶」をなくして。村人しかいなくなった彼の頭からまた現れてくれた。
いっそこの世界で目の綺麗な彼と生きていたかった。偽りで狂った世界で自分も彼を愛したかった。
でも彼女は現実世界で彼と出会った時のセリフが忘れられなかった。計画が彼女を苦しめてもホントウの彼を愛したかった。
だから、掘らせた。彼がなくしたもの全部。迷いながら。全部を失ってしまう不安と覚えているだろう期待に迷いながら。
迷いの方が強かったとき。だけどぼたんが現れた。自分がいない方が彼女が幸せだ。彼女を愛してるぼたん=『彼』が、居た。
そして、森脇。
彼は医者か?
彼らを救いたい医者。茶番の中に飛び込みながら、真実を探す医者。
結局最後は諦めたのか?それはわからないけど。
でも、『彼』は言う。隣に居たんだって。
太郎に降り注ぐ雪。すべてが回り始める。無視をして救いたくてどうしようもない気持ちが溢れて、消えた。
ぼたんがいたこと、太郎がいたこと、駐在がいたことには全て意味がある。
ぼたんは苦しんで消えたとは思わない。太郎も駐在も全てに意味があった。
ラストシーン。
彼女には見える雪。ぼたん。
彼女が望むものはほんの小さなこと。あいまいだけど確かなかけがえのないもの。
あれは可能性のひとつなのだと思う。あの時点で「ぼたん」がいることは不幸の予兆にも感じる。
だけど。
見ていれば、聞いていれば、その"ぼたん"雪を憶えていればいくつの未来にも繋がる「可能性」。
だって、どうなったとしても何があったとしても、彼は彼女を見つけるのだから。
幸せはどのようにでも繋がっていくから。
- 2007/06/22(金) 00:11:07|
- 芝居
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